人材を資本として考える人的資本経営とは

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人的資本経営って何?

人的資本経営とは近年世界中の企業が注目している資本経営方法で、人材を人財、つまり資本と考えて投資の対象にすることで企業の価値を高めようといった経営方法を指します。
企業によっては、従来の経営方法と明確な差別化を図りながら人的資本経営を進めるところがありますが、その一方で人的資本経営に興味や関心はあっても具体的に何をしたら良いかが分からずに悩んでいるという企業も少なくありません。
人的資本経営は、渋滞の経営方法と具体的にどんな点が異なるのでしょうか?

1つ目は、人材管理の目的が異なります。
従来の経営方法では、人材管理の目的は企業の利益を生み出すために人材を資源として管理しており、オペレーション重視の嗜好だったわけです。
人材は投資ではなくてコストと考えていた点が、従来の人材管理の大きな特徴です。

しかし人的資本経営においては、人材は投資の対象となります。
人材を育成させて成長することによって結果的に離職率が低くなって創造力が生まれ、企業の利益につながるという考え方です。

2つ目の違いは、警衛のベクトルが向く方向性が挙げられます。
従来は同質的な雇用傾向が多く、それが企業内に同胞感や安堵感を生み出していました。
しかし、人的資本経営においては多様性を生かした経営手法が求められるため、企業は社内ばかりでなく社外に目を向けて、投資家や従業員と継続的な対話が求められます。

3つ目の違いは、雇用に関する考え方です。
従来では囲い込み型と呼ばれるスタイルをとっており、年功序列や終身雇用などで社員を離脱させないための社内制度を確立していました。
しかし人的資本経営では、企業は社員が自発的に在籍するものだという考えのもとに人から選ばれるような企業体制づくりを目指さなければいけません。

人的資本経営への取り組み方

人的資本経営は、一朝一夕に経営手法をガラリと変えることはできません。
まずは体制づくりをした上で、経営陣が主導となって積極的かつ自発的に人的資本経営を取り入れることが必要不可欠です。
その際に必要な要素としては、人材のポートフォリオを動的にしたり、スキルの学び直しや多様性の促進、また従業員のエンゲージメントを見直したり、働く場所を多様化して時間や場所に縛られない働き方を促進するといった取り組みが挙げられます。
どれも企業においては制度として導入する必要があるため、慎重な話し合いと具体的なプランニングを作成した上で、多くの社員に浸透するように企業努力する必要があります。

欧米諸国では日本よりも早く人的資本経営に取り組んでおり、多くの企業が成功を収めて企業利益につなげています。
日本でも働き方改革など政府主導で取り組みが始まっており、企業も追従する形で社内規則や制度の見直しが行われています。