川崎重工がモーターサイクル&エンジン事業を分社化へ

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カワサキがバイク部門の分社化を決定

様々な事業展開を行う川崎重工は、2020年第二四半期決算発表とともに「モーターサイクル&エンジンカンパニー」(バイク部門)を分社化すると決定しました。
カワサキと言えばバイク業界でも数々の歴史と伝説を持つ会社です。
その川崎重工がバイク部門を分社化することによってどんなことが起きるのか考察していきたいと思います。

低迷するバイク市場

昨今はコロナ禍の影響で一部のメーカー、車種モデルの販売台数が好調で、バイク業界全体のカンフル剤となっているため、バイク業界全てのメーカーが黒字になっているような錯覚を持ってしまいますが、実際はそうではありません。
販売台数が好調なのは一部の排気量モデルで、排ガス規制や若者のバイク離れによって各メーカー苦戦を強いられているのも事実です。
川崎重工もその波を受け、モーターサイクル&エンジンカンパニーの前年同期比は二輪車の販売台数が新興国で全く振るわなかったため減収しました。
また、営業利益は減収に加えて、航空宇宙システムの悪化や米ドルで前年度期に比べて為替レートが円高であったこともありさらに悪化しました。
そこで、カワサキは2020年10月目処に分社化を検討し、モーターサイクル&エンジンカンパニーは精密機械ロボットカンパーと連携し、車両カンパニーは航空宇宙システムカンパニーとの連携強化を図ることとなりました。

分社化によるメリット

カワサキは分社化することで、自立的事業経営を徹底し、意思決定のスピードを向上させると共に、環境規制に対応し電動化や安全技術の発展を見据えた業界内の連携向上を目指しています。
また、ポストコロナを見据えたライフスタイルの提案や顧客ファーストの製品、サービスのブランドを充実させ、モーターサイクル事業と精密機械・ロボット事業の連携を強化していくことを掲げています。

事業グループを再構築

川崎重工は陸空輸送システムを宇宙システムカンパニーと車両(新会社)で統合し、エネルギー&マリンエンジニアリングはエネルギー環境プラントと船舶海洋カンパニーで統合させます。
精密機械ロボットカンパニーとモーターサイクル&エンジンが連携していく形となります。
また、この再構築によってコストの徹底と削減、キャッシュフローの改善と労務費の圧縮に取り組むことによって2021年度決算では黒字化を目指しています。
今後、この再構築によって黒字化が進めばバイク事業に新しい展開も見込めるようになるでしょう。
事業グループの再構築と分社化によってカワサキのバイク事業はどのように変わっていくのかこれからも注目していく必要があります。
分社化によってカワサキのバイクが消滅してしまうようなことはないので、そこは安心して今後の動向を探っていきましょう。