バイク事故が16年ぶりに増加
近年では、高速道路のバイク割引やバイク人気に伴ってバイクを購入する人が増えています。
中でも、若い頃にはバイクに乗っていたけれどライフステージが変わって自動車を運転していた50代が、子育てが一段落してバイクに戻ってくるケースが増えています。
しかしそんな中、50代によるバイク事故が増えていることが懸念されています。
2021年と比較すると、2022年には首都高におけるバイク死亡事故が、なんと5倍に増えたという統計もあります。
バイクの事故件数は、高速道路における自動車事故の中では全体の2%程度と、決して多くはありません。
しかしバイクは体が露出しているため、事故を起こした時に重症化しやすく、死亡事故へつながりやすいという特徴があるのです。
50代のバイク事故が増加した背景
50代のバイク事故が増加した背景には、間違いなく二輪車定率割引の存在があります。
これは二輪車に限定してETCで土日祝日が割引になるというもので、1回に100km以上を走行すれば高速道路の走行料金が普通車の半額にもなるというビッグな割引です。
条件は複数あり、なかなか条件を満たしづらいという難点はありますが、条件を満たすことができれば高速代を大幅に節約できるため、ライダーからは大絶賛されていたサービスです。
さらにこのETC割引はゴールデンウィークなどの繁忙期でも適用されるため、ライダーにとっては大型連休の際にツーリングに出かけるなど使い勝手が良いことも、多くの人が利用した背景にあるでしょう。
バイクに乗るのは50代だけではなく、幅広い年齢がバイクを楽しんでいます。
しかしバイクの死亡事故に焦点を当てると、多くの年代で死亡者の数は減少傾向にあるものの、50代以降の世代は残念ながら増加の傾向にあります。
バイク事故にあうライダーの特徴を見ると、若い頃からずっとバイクに乗り続けてきた人ではなく、コロナ渦におけるバイク人気によって数十年ぶりにバイクへ戻ってきたリターンライダーが多いのです。
コロナのために密な状態を避けなければならず、キャンプやツーリングなどに出かける人が増えました。
バイク人気もそうしたコロナの影響があり、久しぶりにバイクに乗ってツーリングに出かけようという50代以降が増えたことが、死亡事故が増えた原因だと考えられます。
若い頃にバイクに乗っていた人は、久しぶりに乗った時でもすぐに感覚を取り戻すことができます。
しかし若い頃と比較すると、どうしても運動能力や動体視力などは劣っていることは否めません。
若い時よりも視野が狭くなったことに気づかなかったり、集中力や注意力が低下していることもあるでしょう。
また、若い時の感覚を取り戻してついついスピードを出してしまい、コーナーやカーブで転倒してしまうという事もあります。