予想は「2022年も変わらない」
2021年は、バイクだけでなく四輪車にとっても新車が手に入りづらい年となりました。
これは新型コロナウィルスによる、サプライチェーンへの影響が原因です。
ロックダウンしている国からパーツを輸入しているメーカーにとっては、パーツが入手できないために製造ラインがストップしてしまうわけです。
これはバイク業界にも大きな打撃を与え、バイクメーカーの多くは新車を製造できない状態に陥ってしまいました。
例えばホンダが製造するファイアブレードSPというスーパースポーツバイクは、車体組み立ては日本国内で行いますが、ブレーキにはイタリア製のブレンボブレーキが標準装備されています。
イタリアがロックダウンしたことでこのブレーキが手に入らなくなってしまい、ほかのパーツがそろっていてもバイク製造ができない状態になってしまったのです。
2022年の予想は、2021年よりは新車の納期は正常に近づくだろうけれど、2021年と大きく変わることはないとみる人が大半です。
物流は正常化しつつあるものの、世界的に半導体が不足している状況にあり、バイクにはトラクションコントロールなど半導体を使うパーツが多いためパーツ不足で新車納車が遅れることが予想されます。
バイク販売を行う業者にとっては、新車が入手しづらい分、中古車の販売に力を入れる姿勢が重要となるでしょう。
バイクメーカーの取り組みは?
バイクメーカーはそれぞれ新車納車が難しい原因を追究するとともに、解決策をすでに模索しています。
パーツ不足に関しては、別のルートでパーツを確保するための調整作業を行っています。
バイクメーカーにとっては、パーツが不足しているからと言って製造ラインをストップしてしまうことはビジネスとして成立しませんし、従業員を路頭に迷わせてしまうことにもなります。
そのため、海外からの供給が難しいものは国内で確保できるように調整するなど、新車の納期を正常化するために各メーカーともに努力しています。
ただし、こうしたサプライチェーンの影響を受けているのはバイク業界だけではありません。
製造業すべてが大きな影響を受けています。
そのため、対策を講じても解決できる前にはもう少し時間がかかりそうです。
大切なことは情報収集
バイク販売業者にできることは、正しく情報収集を行い、ユーザーへ的確に伝えるという作業です。
新車の納車が遅れていることは、ユーザーも理解しています。
どのぐらいかかるのかという期間を知ったうえで、新車にするか中古車にするかを判断できるでしょう。
販売業者は、ユーザーへ情報提供を行うことで、ユーザーの意思決定をサポートすることなのです。
また少しずつではあるものの、新車の納期時期が正常化しているため、近い将来には新車の販売も上向きになる日がやってくると考えられます。